こんにちは。高野工務店のiwaです。
今回は冬の結露対策として、なぜ結露が発生するのかを解説していきます。結露の発生原因からどこに発生しやすいのか、そして結露が起こす住宅にも人の体にも悪い影響を説明していきます。
そろそろ夜になると暖房器具を使う家が増える頃ではないかと思います。暖房器具は数ありますがどれを使ったとしても部屋の内側の窓には結露が発生しますよね。特にアルミの単板ガラスの場合だと当然のように結露が発生します。見た目も悪いですしカーテンが結露でぬれて嫌になったりしますよね。
結露発生の原因
結露発生は「住宅の気密性の悪さ」と「窓の断熱性の悪さ」が原因となっています。
どうしたら結露が発生するのかというと、空気中に含まれる水蒸気がその物の表面で冷やされることで水となり結露となります。よく言われるのが夏に氷と飲み物が入ったグラスの表面に水滴がつきますがあれも結露の減少で起きています。空気中の水蒸気が氷と飲み物によって冷やされたグラスの表面に触れることで終結して水滴となります。
この水蒸気が水滴に替わる現象ですが、空気中に含むことのできる水蒸気が気温によって決まっており気温が下がると空気中に含むことが出来なくなった水蒸気が水滴として現れるようになります。この空気中に含むことが出来る水蒸気量を飽和水蒸気量と言います。私も学生時代は建築を学んでいたので授業中に習ったことを覚えています。建築環境工学という部類に分けられており、湿り空気線図というグラフで表されています。
これは1級・2級建築士試験で必ずと言っていいほどに毎年出題されているので知らない建築士はいないです。
なので窓ガラスの表面に結露が発生するのは部屋の中の暖かい空気と外の寒い空気が厚さ5mm程度しかない単板ガラスの表面に触れることで暖かい部屋の中の空気中に含まれる水蒸気がキンキンに良く冷やされた窓ガラスやアルミ枠の表面に水滴となって現れるわけです。
「窓の断熱性の悪さ」が原因となっていることが分かっていただけたでしょうか。
また住宅の壁ではなかなか発生はしないと思いますが、コンクリートの壁だと壁にも結露が発生することがあります。私が学生時代寮生活をしていた時にお風呂場の脱衣室の壁表面に結露が発生していたのを今でも覚えています。その脱衣室も石油ヒーターでガンガン暖房をかけていましたが、今思えばそのエネルギーの半分くらいは外に垂れ流し状態だったんだなと思います。
気密性に関しましては、しっかりと気密と断熱が取れている住宅では早々結露は発生しませんが、気密がわるいとどんなに高性能な窓を設置していても結露発生の原因になります。
結露発生の場所
窓に良く結露が発生しやすいということは分かっていただけたかと思いますが、窓以外にも結露は発生します。(窓は家じゅうどこでも発生すると考えておいた方が良いです。)先ほども言いましたが壁です。壁はタンスの裏や空気がよどみやすい場所にも発生しやすいです。タンスの裏は外壁からくる冷気と部屋の暖かい空気に挟まれ結露の発生しやすい場所になります。気が付けばタンスにカビが発生していたなんてことも起こりうる状況だということを理解しておいてください。
また寒い場所代表として玄関と勝手口。この2ヶ所はリビングや居間と違い暖房器具が使われていない場所となりますが結露は発生しやすい場所となります。玄関も勝手口もアルミで作られている家が多いと思うので足元の表面に結露が発生する恐れがあります。
私の実家も冬の日の休日は結露した窓を拭くというのが当たり前のように行われていました。
結露発生による悪影響
皆さんが結露に対してどのようにお考えかは分かりません。水滴なんだから拭けば大丈夫でしょうと考えている方もいるかもしれません。夏、グラスに付いた水滴はすぐに拭けますし気温が高いので割とすぐに乾きます。ですが冬になればそんなに簡単なことではありません。結露が発生すると何が起こるのか。
結露が発生して喜ぶものがいます。それはダニとカビです。窓ガラスに付いた水滴を吸収するカーテンやアルミの枠から木部に水が染み込むとダニやカビが住処として喜びます。そこで繁殖すると喘息の原因になったり家自体の耐久性が落ちることも考えられるので結露を侮ってはいけません。
窓ガラス自体の結露は内窓を付ければほぼ解消しますがそれは目に見えている表面だけの話で目に見えない壁の中にある枠には結露が発生している可能性があります。そういう意味では断熱気密性の悪い住宅では結露を100%抑えることは難しいですが内窓を付けることは大きな効果があるのでやって損なんてことはありません。ただ私の家に設置した内窓でもそうでしたが、どうしても後付けになるので断熱・気密性は良くなりますが外側の窓に結露は発生するので結露が発生する可能性を大きく抑える効果があるという程度で認識しておいてください。
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