2021.01.20
NE-STの話
健康の話

内窓を付けてみた結果 効果はあるのか検証結果

Iwa

こんにちは。高野工務店のiwaです。

弊社は鳥取県三朝町に本社があり県中部地域を中心に仕事をしています工務店会社です。

今回は昨年の10月に私の家の部屋に取付けた内窓の効果はどれほどのものかを考察していきます。昨年の9月から10月頃に今年の冬は寒波が来るという予報があったので本格的に寒くなる前に対策をしておこうと思い昨年の10月23日に私の部屋の窓に内窓を付けました。昨年末から年始にかけての最強寒波で内窓を付けた効果はあったのかどうかを下記に沿って考察していきます。

熱貫流や熱損失といったことは考えずに単純に室内の温度計だけを見て考えていきます。

1部屋の状況説明

2内窓取付状況

3取付前の予測

4計測結果

5まとめ

部屋の状況説明

私の実家は今年で築27年目の木造3階建てになります。

私が使っている部屋は畳8畳に板間が付いている約10畳の部屋になります。㎡換算だと約16.8㎡の部屋になります。正確に測ったわけではないのと図面が手描きでボロボロなので正確ではないですが、おおよそ10畳の部屋だと思います。

その部屋にタンスと押入が付いているという状況になります。(以下図1参照)

窓は南側に付いており面積が幅約3000×高さ約1400、FL+900の位置に付いています。種類はアルミサッシの単板ガラスで典型的な旧省エネ住宅基準のよく見るやつです。

この時点で窓がとても大きいということを感じます。部屋の床面積の1/7以上が採光面積の法定基準なので2.4㎡以上あれば法律は守れていることになります。ですがこの部屋の窓の面積は4.2㎡なので倍近くの窓面積があることになります。

図1

この赤マーカーが窓で、ここに内窓を取り付けます。パソコンで入力するのに畳が現状通りに入力できなかったので気にしないでください。北側が廊下になっており和室と廊下の間にある(部屋)は部屋ではなく物置みたいになってるのでここを通って和室に入ります。

※めんどくさかったので建具類は一切入力してません。畳は現状通りにパソコンに入力できなかったので適当に入力しています。気にしないでください。

内窓取付状況

内窓取付は以前ブログで書いたので詳しくは省略します。

YKKプラマード、樹脂サッシ複層ガラス使用。

内窓を取り付けたブログ

3取付前の予測

取付前にどうなるかの予測をしました。家の中で一番熱が逃げるのが窓だということは省エネ住宅を勉強していて分かっていました。冬は窓から約6割の熱が逃げると言われているので家の断熱気密性能が悪かったとしてもそれなりに部屋の暖かさは改善されるだろうと予測しました。何度くらい違うかまでは考えていませんでしたが体感できるくらいには違うのかなと予測しました。

4計測結果
計測ですが、アナログの温度計を2個使用します。一つは部屋の入り口付近、床から1500程の高さに付けてあります。もう一つはアルミサッシと内窓の間に置いておきました。これで正確ではありませんが内窓がなかった場合の気温と内窓を取り付けた室温の比較になるかなと思います。

室内の温度計を①とし内窓との間に置いた温度計を②とします。

①の温度計

②の温度計

温度計を使って計測を始めたのが10月20日。内窓を付けたのは10月23日になります。

計測ルールですが、計測時間は毎朝7時。※最近は温度計を見忘れることが多くて計測してない日が多いです。

前日の20時~24時まで部屋で暖房器を使用。夜間は切ってあります。24時時点での室温は15度前後になることが多いのでおおよそ15度とします。使用器具は最初は灯油ストーブを使用。12月途中からデロンギのオイルヒーターに変更しました。開放型の灯油ヒーターは一酸化炭素中毒の心配と匂いが大問題だったので変更しました。


結果ですがまず内窓の効果はありました。外気の最低気温が下がれば下がるほど室内の2箇所の温度計の差は大きくなることが分かりました(グラフ1)。最低気温が高い日は②の温度計も高く①との温度差は低いことが、逆に外気温が低くなると②と①の温度差も大きくなります。特に最低気温10度以下になってくると温度差が大きくなってくることが分かりました。

全体を通して②の温度計は外気温と1~2度の温度差でほぼ変わらないことが分かりました。なので最低気温が下がれば下がるほど②の温度計も低くなります。①の温度計は外気温が低くなっても8度~9度までしか下がらなかったので内窓の効果が見られます。夜間無断熱なので室温も低く寒いことに変わりはないですが、外気温とほぼ変わらない室温で寝ると考えたら恐ろしいと思いました。

①の温度計も家自体の性能が良くないので下がることは下がります。ですが12月中旬以降雪が降り始めた頃からは最高気温よりも7時時点での室温の方が高くなっていることが分かるので内窓としての断熱効果は出ていると感じます。

また昼間に日射があった日は夕方になると廊下や他の居室よりもほんのりと暖かさを感じました。これは使用した内窓の断熱性能が高かったことにより室内に入射した熱が窓から逃げることを抑えてくれたおかげだということが分かります。

グラフ1

①と②の温度差に付いてですが、先ほども言いましたが外気温が下がれば下がるほど差が大きくなることが分かりました。ちょっと計測日の無い日が多くてデータとしてあまり良いものではありませんが気温が下がり始めた12月以降おおよそ5度~10度の温度差があることが分かります(グラフ2)。今回複層ガラスでの計測なのでシングルガラスの内窓だともう少し温度差が小さくなるのかなと思います。

グラフ2

5まとめ

内窓を付けて良かったと思いました。夜間無暖房で家の性能が良くないことで朝の室温も低いことは低いですが、内窓がなかったと考えるともっと酷い環境になってたんだなと感じました。もしかしたら室温もマイナスになっていた可能性があります。それを考えるとマシになったなと思います。

また内窓を付けたことで暖房を使用した際の窓からの熱損失も抑えることが出来たのではないかと思います。実際に灯油ストーブを使用していた時よりは暖かさの面では少し足りないと感じることはありますがそれでも部屋の環境としては改善されていると感じます。

あとこれは当然と言ったら当然のことなのですが、結露が抑えられました。断熱効果があるのでアルミサッシの室内側で結露の発生を抑える効果があります。ただ注意していただきたいのは内窓による気密性は完全には確保されていないので結露するときはします。私の部屋も結露しました。ですが内窓がある時と無い時を比べたら大違いですので参考にしてみてください。


最後に注意事項です。内窓はあくまでも断熱効果を得るためのものなので暖房器具を使わないと部屋は暖かくなりません。もちろん昼間の日射があれば熱取得は出来ますが古い家だと窓以外からも熱がどんどん逃げていきます。私の部屋の入口は襖の引違戸なので隙間から熱が逃げていると考えられます。あくまでも暖房器具を使った時に熱が逃げていきにくくするためのものなのでそこは頭の隅に置いといてください。

気になった方は弊社お問い合わせよりご連絡ください。→こちらまで。