こんにちは。高野工務店のiwaです。
弊社は鳥取県三朝町に会社があり県中部地域を中心に仕事をしている工務店会社です。
突然ですが、ウッドショックという言葉を聞いたことはありますか。今まで聞いたことない言葉ですが、現在の日本にとってあまり良い言葉ではありませんが、実際現実問題として今後日本が直面するかもしれない問題について書いていきます。
1ウッドショックとは何か
2ウッドショックの原因
3現在の日本の住宅事情
4今後起こりうる可能性
5これからの日本の住宅について
6まとめ
1ウッドショックとは何か
ウッドショックとはずばり日本に輸入している海外の木材が手に入りにくい状況になり価格の高騰やそもそも木材が日本に無いことによる工期の遅れを意味しています。
聞きなれないウッドショックという言葉を聞いて何となくあまりいいイメージを持つ方はいないと思います。過去にオイルショックという現象がありましたが原油が採掘できなくなるかもしれないというニュースにより世界中が混乱に陥り日本でもトイレットペーパーの買い占めなどがニュースとして取り上げられていました。
2ウッドショックの原因
なぜウッドショックが起こるのか。それは木材の輸入先である国で、自国の木材を自国で消費するようになったからです。現在コロナウイルスの影響で海外でもおうち時間が増え家の環境を良くしようとする人が増えています。またコロナウイルスのワクチン接種が進み景気の回復を見込んだ株価の高騰が挙げられます。その原因もあり先月あたりから日本で売られているガソリンの価格も上昇しています。
その結果自国での木材使用料が増え日本への輸出量が減る可能性が高まっています。また船で運んでくるための貨物やタンカーが足りなくなるという状況も発生しつつあるので今後さらに日本への木材輸入量が減る可能性があります。
3現在の日本の住宅事情
では現在の日本の住宅事情について書いていきます。現在日本の国産木材自給率は37.8%(2019年時点)となっています。食料自給率とあまり変わらないですね。日本で使用される木材の多くが海外から輸入したものに頼っています。ただこの数字も前年よりも自給率は高くなっており、過去9年連続で自給率は前年を上回っている状況となっています。
なぜここまで外国産の木材を多く仕入れているのかと言うと、簡単に言えば安いからという理由があります。でも近場の山で切った木よりも遠く海を越えた海外から木を切って船に乗せて運んできた方が安くなるなんて不思議な話です。ただ日本というのは狭い島の中で非常に多くの面積を山が占めています。つまり木がある場所の多くが山の斜面に生えているということです。なのでその木を切って運んでくるだけでも相当な労力が必要になります。さらに木が成長する30年~40年、もしくはそれ以上の時間をかけてその山に登って手入れをしなければいけないので結果その手間が価格に反映されてしまいます。
輸入材については、日本よりも広い国土で日本よりも多くの木が生えています。そして日本のように斜面に生えているのではなく斜面の少ない平地にも多く木があるので管理の手間も伐採して出荷する手間もかからないので国産材よりも安く手に入る状況となっています。
その結果安い輸入材が多く市場に出回る。→安くない国産材を買う人が減る。→買う人が減ると林業家の収入が減り山を手放す人が増える。→国産材の量が減るとさらに輸入材に頼り林業が儲からず山を手離すといった負の連鎖が起こります。
4今後起こりうる可能性
今後の可能性としては最初にも書きましたが木材の輸入量が減り価格の高騰が続き工期がさらに遅れるといったことが考えられます。今後も価格が高騰し続けていけばお客様に提出する金額にも影響が出てきますし、工事を始めようにも材料が無いので1,2か月待たないといけない状況になるかもしれません。
また住宅に使われる木材だけではなく家具にも木材は使われているのでほしい家具が材料不足で手に入らなかったり値上がりしてしまう可能性も0ではないので今後注視していく必要があるかなと思います。
5これからの日本の住宅について
これからについては何といっても日本の木材自給率を挙げることが解決策になると思います。確かに安い海外の木材を使って少しでも安くお客様に良いものを提供したいですが、お客様が住宅にお支払いしてくださったお金が海外の林業や貿易会社に流れてしまうよりも国内や地域のの林業や社会に少しでも周った方が理想としては良いなと思います。お金は流れるので地域に流れたお金はいずれ自分にも流れてくるのでいい流れが出来ればなと理想論ではありますが思っています。
ただ日本の林業は儲からない、キツイなどの良くないイメージがあること、長年放置されてしまった木は枝打ちもされず伸び放題で製材に適していない場合もあります。1年2年でどうにかできることでもないと思うので長い時間が必要にはなると思います。未来のことは分からないですが、未来に起こりうるリスクに少しでも耐えることが出来る環境が整えばいいなと思います。
6まとめ
ウッドショックは現在既に起こっています。今後さらに価格が高騰し木材が輸入できない状況になるかもしれません。お客様の元に影響が及ぶのも時間の問題かもしれません。
木材のおよそ6割は海外の輸入材に依存しています。現状日本の林業だけでは国内の産業をまかなえないので海外の影響を強く受ける立場になります。
木は植樹してから伐採までに30年~40年かかります。現状すぐに対策で切ることでもないですし国産材を使用するにも山の斜面での管理にはお金と時間、労力が必要になります。ただ9年連続で国産材の自給率が高くなっており輸入材の量が減っているのでわずかではありますが国産材を使用しようとする動きもあるのかなと思います。
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