2021.07.30
住宅の話

省エネ住宅について学ぶ① 高気密高断熱住宅とは

Iwa

こんにちは。高野工務店のiwaです。

弊社は鳥取県三朝町に会社があり県中部地域を中心に仕事をしている工務店会社です。

今回から高性能住宅について色々なことを書いていきます。私自身工務店に勤務して3年目の若手なので自分の勉強のことも含めて色々なことを書いていこうと思います。

まず第1回目「高気密高断熱住宅について」です。

題目

1高気密高断熱住宅とは

2なぜ高気密高断熱住宅なのか

3これからの住宅に求められるもの


1高気密高断熱住宅とは

高気密高断熱住宅とは読んで字のごとくですが家の断熱性と気密性能が高い住宅ということになります。なぜ断熱性と気密性が近年高くなってきているのか、その結果何が良いのかはこの後説明します。

近年の住宅では商品の規格化や施工性能の向上、商品の性能アップにより何もしなくても住宅の性能は少しずつ高くなってきています。ですが近年の地球温暖化への影響を考え住宅で使うエネルギーを少なくしていこうという取り組みが世界で起こっており日本でも更なる住宅の高気密高断熱化が今急速に進んでいる状況です。

2なぜ高気密高断熱住宅なのか

ではなぜ高気密高断熱住宅にすることが求められているのか、なぜ高気密高断熱にすると住宅で使うエネルギー(主にエアコンのエネルギー)を少なくすることが出来るのかを説明します。

先ほどの1でも少し説明したように地球温暖化対策として住宅で使うエネルギーを少なくすることが世界的に、特にヨーロッパでの活動が顕著で日本でも住宅の高気密高断熱化が進んでいます。弊社高野工務店もとっとり健康省エネ住宅「ネスト」の認定を受け高気密高断熱住宅の建築を進めています。次になぜ高気密高断熱にすると住宅で使うエネルギーを少なくすることが出来るのかの説明です。

まず高気密についてです。住宅の気密性能が高くなれば計画的な換気と隙間から流れる空気、”漏気”が少なくなりより少ないエネルギーで家の中の空調を保つことが出来ます

高気密の基準ですが一般的に言われているのが気密測定をした場合に用いられるC値という値があります。このC値が1.0以下となれば高気密と言われています(考え方は人それぞれなのでここではC値1.0以下を高気密の基準とします)。このC値1.0は換気設備を使用していなくても家の中と外の空気が1時間に0.5回換気されるくらいの隙間がある状態となっています。なので高気密=1.0以下と覚えていただければ良いかなと思います。

次に高断熱です。住宅の断熱性能が高くなれば真夏や真冬といった家の中と外の温度差が大きくなる季節でも外気温の影響を受けにくくなり、より少ないエネルギーで家の中の空調を保つことが出来ます。

高断熱の基準ですが、一般的に言われているのがHEAT20と言われる指針のG1以上になります。鳥取県では2020年7月から運用が始まったとっとり健康省エネ住宅「ネストのT-G1以上となります。このG1が高断熱住宅の最低基準となっておりG2、G3と更に2段階上の高断熱基準が設けられています。またこの基準は住んでいる地域によって細かく区分けされているので気になる方はこちらをご確認ください。

HEAT20の基準としてUA値という言葉が使われています。現在の住宅業界ではこのUA値が住宅の性能の大きな基準を表しています。住宅展示場や新築見学会などで今後よく目にする言葉になると思います。

3これからの住宅に求められるもの

これからの住宅に求められるものについて私個人的な意見を書いていきます。

これから先の未来の地球はどうなっていると思いますか。皆さんはどんな生活をしていますか。答えはだれにも分かりません。

地球温暖化がこれからも進み冬がなくなり夏の気温が50度を超えるかもしれません。もしかしたら逆に太陽の活動が低下し寒くなってしまうかもしれませんし、急激な気候変動により豪雨の地帯と干ばつの地帯に分かれるかもしれません。

政府は2050年にはカーボンニュートラルを目指すと言っています。

※カーボンニュートラル:カーボン=炭素、ニュートラル=どちらにも属さない・中立。2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする脱炭素化社会。全体としてゼロにするとは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量から森林などによる吸収量を差し引いた実質ゼロを意味しています。環境省HP

さらに住宅ではLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)を最終目標にしています。

※ライフサイクルカーボンマイナス:住宅で使用する木材を山から切ってくる段階から将来解体するまでの流れの中で二酸化炭素排出量を実質マイナスにする取り組み。環境省資料

これらを目指すには乗り越えなければいけないことがまだたくさんあります。その一歩として住宅で消費するエネルギーをなるべく抑え無駄な温室効果ガスの排出を抑えるることで私たちの子供や孫の世代にも住みやすい環境を残していくべきではないでしょうか。

そんな何が起こるか分からない未来に、エネルギーをなるべく使わず、かつ夏も冬も快適に過ごすことが出来る家が今後はさらに重要になってくると思います。そのことを考えて現在住宅業界は高気密高断熱住宅をしっかりと取り組もうとする動きがあります。

現在の日本では気密も断熱も法律で定められてはいないので住宅会社や設計事務所が各々で取り組んでいる状況となっています。本当は国会で法整備をしてもらえば住宅にかかるコストも下がっていくのではないかなと思っているので淡く期待しています。


第1回目は以上になります。

次回2回目は高気密高断熱住宅のメリットデメリットを書いていきます。

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