2021.10.28
住宅の話

省エネ住宅について学ぶ⑥ パッシブデザインを学ぶ

Iwa

こんにちは。高野工務店のiwaです。

弊社は鳥取県三朝町に会社があり県中部地域を中心に仕事をしている工務店会社です。

今回はパッシブデザインについて学んでいきます。

パッシブデザインと聞くとパッシブハウスと意味をごちゃごちゃにしてしまう方もいると思います。似ている二つの言葉ですが、こちらは別のブログで解説しているので確認していただきたいです。パッシブデザインとパッシブハウス

では本題に入っていきます。

太陽をうまく利用する

2通風の取り扱いに注意する


太陽をうまく利用する

まず1年間に夏至、冬至、春分、秋分という日が1日ずつあります。夏至は太陽の位置が一年で一番高く当時はその逆に一番低くなります。そして春分と秋分はその中間の高さに位置します。この太陽の位置のことを太陽高度と呼びます。ここで当然の自然現象の話をするのですが、夏は暑くて冬は寒いですよね。なので夏の日差しは暑いので遮りたいですし冬の日差しは暖かいので遮る必要性は特にありません。

という前提の下で話をすると夏の日差しは適切に遮ることで家の中が暑くなるのを抑え、冬の日差しはうまく取り入れることで家の中を温め暖房の効果を発揮します。では次は具体的にどうすれば太陽のエネルギーをうまく利用することが出来るのかを説明します。

●具体的な対策

①窓の位置を考える

②窓からの日射量をコントロールする

まず①から考えます。結論を先に言うと住宅の南側にはなるべく多くの窓を設け、東西北の窓はなるべく窓を設けないようにすることです。簡単に説明すると南側に窓を設けることで冬場の日射取得量が増え暖房としての役割を十分に発揮してくれるので南側には窓をなるべく設けることがパッシブデザインとしては有効になります。

東西北の窓については、冬になれば東西の窓は冬にはほとんど日差しが入らず、北の窓は日差しが全く入らないので必要最小限に留めておく必要があります。特に東西の窓は夏至~8月にかけては窓とほぼ垂直に長時間日差しが入ってくるので暑い夏の日差しがジャンジャン家の中に入ってくるので結果エアコンの冷房設定温度を下げないといけなくなり電気代化かかってしまいます。

ただ北側の窓については夏至の頃でも日差しの入る量はそこまで多くないこと、直射日光がほとんど入らないので一定の明るさを確保しやすいこと、家具などの家の中にある物の日焼けを防ぐことができるなどメリットもあるので適材適所で使っていければいいかなと思います。

次に②についてです。窓の取り付け位置だけでは限界がある日射量のコントロール方法ですが主に庇を設ける、軒の出を深くする、すだれやシェードでカバーするなどの方法があります。

ポイントとしては窓の外側で日射を遮ることです。日差しはいったん家の中に入ってしまうとその熱は外には逃げにくくなってしまうので夏は遮蔽して冬は取り入れることがポイントです。

庇や軒の出をどれくらい出すかの目安として一つ10:3ということを意識します。窓の下端から出ている庇の一番低い位置までの距離を10とすると庇の出を3にするというものです。ただこの庇だけでは日差しをコントロールしにくいので夏にはすだれやシェードを取り付けるなどの対策をしていただくとより良い効果を発揮します。

2通風の取り扱いに注意する

パッシブデザインの手法で通風を利用することが挙げられます。空気の特性を生かして家の中の熱をうまく逃がしたり空気を循環させたりする手法になります。ですが注意点として夏に通風を生かそうとするのは気を付けた方がよいです。現在の日本の夏では北海道でも気温35度以上になる日があるくらい危険な暑さになっており夜になっても熱帯夜の日が続くことも珍しくありません。なので夏に通気を取り入れようとただ窓を開けると家の中に暑い風が流れ込み家の中を熱くさせてしまう結果になってしまいます。もし夏に通気をうまく利用したいと考える際はしっかりとした計画で家づくりをする必要があります。

ただ春や秋と言った中間季では流れる風が非常に心地良いのでぜひ窓を開けて風を取り入れていただきたいと思います。

通風については卓越風を利用することや重力換気を利用する方法などがありますが、取り入れやすいのはウィンドキャッチャーという方法ではないかなと思います。これは縦辷り出し窓を開けることで正面と横から吹く風を取り入れることが出来るような窓になっています。引違窓と違い取り付けた窓面積すべてが開口部になることも特徴です。

縦辷り出し窓は窓を開けた時に窓ガラスが家の外側に開くので風を受ける面の役割を果たしてくれます。その結果窓と平行に流れる風をうまくキャッチして風を取り入れることが効きます。


こんな感じでパッシブデザインについて書いてみました。書店に行けば色々な本も置いてありますので気になった方は調べてみてください。

弊社に来ていただき話を聞いてみたいという方も大歓迎です。

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