こんにちは。高野工務店のiwaです。
弊社は鳥取県三朝町に会社があり県中部地域を中心に仕事をしている工務店会社です。
皆さん注文住宅で家づくりを考えるとき、特に間取りを考える際はどんなことを考えて決めていますか?
ネットやSNSで見つけた家の画像や動画で良いなと思った家のイメージを持つ方もいると思います。
このブログではタイトルにもあるように何となくで決めずに家づくりについてもっと理工学に基づいて考えていただきたいと思い書いていきます。図面を書くのは工務店や設計事務所の人だから関係ないと思うかもしれませんが、どれくらいの物があり何を置きどんな使い方をするのかはお客様が一番理解していると思うので打合せの際に何となくではなく一度しっかりと考えてみていただきたいです。
1建築学は理工学
2人間の動きや思考に合わせて考える
3物の寸法から必要なサイズを考える
1建築学は理工学
まずは学問についての分類からです。建築は工学系の学問です。大学を想像してもらうと分かりやすいと思いますが、ざっくりと理系か文系に学問を分けることが出来ます。授業でもどちらの科目が得意なのか一人一人思い当たる経験などがあると思います。その中でも建築は理系の分野に分けられます。私が卒業した高専も工業高等専門学校と名前が付いているように工業、理工学系の学校ですし、大学でも理工学部建築学科と言ったような名前になっています。
つまりきちんと数字を扱って論理的な手順で物事を考える分野になります。なので何となくではなくどれくらいの物があり人が動く時や座った時の寸法はどれくらい必要かなど数字を使って考えていかなければいけません。
たとえると、クレジットカードや免許証、その他のカードなどの多くは黄金比という比率でカードのサイズが決まったいます。黄金比は効いたことあると思いますが、人が使うのにちょうどいいサイズとして用いられており大げさに言えば毎日使っていても不便さを感じにくい寸法で作られています。このようにきちんと数字を使って住宅も考えていかなければいけません。
住宅の仕上げやデザインに関しては感覚的なところもあるので一概には言えませんが、ネットで自分にぴったりの部屋のサイズやデザインや空間が見つかったとしても、敷地や周辺状況により全く同じ空間にはならないこともあるので家づくりを考える際は頭の隅に置いておいてください。
2人間の動きや思考に合わせて考える
住宅は人生の中でも長い時間過ごす空間です。その住宅が使いやすく便利であればストレスを感じることなく快適に生活できます。その際に重要になるのが人の動きや思考を考えることです。
例えば、キッチンで料理をしているときに冷蔵庫の物を取り出そうとするとき冷蔵庫はキッチンに近い場所に置いてある方が良いですよね。わざわざ廊下を通って冷蔵庫の中の物を取りに行くなんてことはしないので人間の動きや思考、その時の状況というものを考えて設計していきます。
最近では家事動線を意識した住宅と言うのもよく目にします。これは脱衣室で服を脱いでそのまま洗濯機で洗濯が出来て、干す場所、服をたたむ場所、しまう場所の移動を楽にすることが目的としてつくられることがあります。人の動きを考えてストレスのない楽に生活が出来ることも設計に取り入れて考えます。
3物の寸法から必要なサイズを考える
そして最後に収納についてです。よく収納スペースが欲しいといったことやクローゼットを広くしたいといったことを言われます。ですが、その収納スペースの寸法を適切に計画していないと完成してから色々と悩む場合もあるので注意が必要です。
まず基本的な考え方として、どれくらい物を収納するか把握していないととりあえず広く、多く収納スペースを取りたいと考えてしまいます。その結果もう少し広くすればよかったと言ったことや、逆に広すぎて無駄になってしまうといったこともあります。このようなことを避けるために設計段階でよく考えておく必要があります。
ポイントとしては現状の住まいでどれくらいの物があってどれくらいのスペースで収納しているのか、またどのくらいの頻度でその収納スペースの物を取り出したりしまったりするのかを考えます。その上で今後の人生において増えそうなもの、減らしていきそうなものを考えます。そうすることでひとまず自分がどれくらいの物を持っているのかを整理します。そして整理出来たらどれくらいの収納スペースで収まるのか具体的に寸法で考えます。この時の寸法の考え方は5センチ刻みくらいで考えてもらって問題ありません。重要なことは使うときの自分を想像して本当に必要な寸法を把握しておくことです。あとは工務店や設計事務所の人と細かく決めていけばいいと思います。
クローゼットに服をハンガーで掛けるときに、掛けた時の服の寸法、それを取り出したり仕舞うときにどれくらいのスペースが欲しいか、ウォークスルーであれば通りやすい寸法など計画段階で決めておかないと後から後悔するポイントになります。
さいごに
今回、色々と寸法がどれくらいだとか、論理的にどうだとか語りましたが、家づくりで一番重要なことは楽しむことです。家づくり中に夫婦の中が悪くなったり嫌な思いをするようなことがあってはせっかくの家づくりが楽しめません。人生で一番大きな買い物と言われていますしお互いの意見を尊重しつつよく話し合い納得のいくように一緒に進めていきたいと考えています。
お施主様からのご要望や意見はしっかりと伝えていただきより良い家づくりをしていきたいと考えています。