2020.07.24
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「NE-ST」第2話表の見方と用語の意味

Iwa

こんにちは。高野工務店のiwaです。

今回はとっとり健康省エネ住宅第2話ということで始めて行きます。

前回はなぜ住宅の性能を拘るようになったのかということで、その経緯を書きましたが、今回は省エネ住宅において、とっとり健康省エネ住宅で用いる表について説明していきます。

日本の現状では、、、

まず下の票をご覧ください。


こちらは鳥取県のHPに載っているとっとり健康省エネ住宅の表になります。もう見慣れた方もいるかもしれません。この表を見て何となくオレンジ色のT-G1からT-G3のところを見ればいいんだなということが分かりますが、じゃあどれを目指して家づくりを計画すればいいかぼんやりしている方もいると思います。なのでこの表をなるべく詳しく説明しようと思います。

まず現状を説明します。左に「国の省エネ基準」と書いてありますが、国として最低この基準の性能は守ってくださいよという意味で本来この基準が今年の4月から法律で施行される予定でした。しかし基準の数値を計算できない建設会社が多いということで施工は延期、来年度の4月からこの基準に対して施工会社の性能はどのレベルかということを説明する義務だけが施工されるという状況となっています。

次に「ZEH(ゼッチ)」です。こちらは結構定着しつつある言葉だと思います。意味は「ゼロ・エネルギー・ハウス」で家の中で消費する一次エネルギーと家で創るエネルギーを全体で±0にしましょうという意味です。2020年標準政府推進とありこの基準が望ましいですよという意味ですが、この基準ではC値が定められていないので話にならないですね。C値についてはこの後説明します。ここで勘違いしないでいただきたいのは、全国のZEHを謳っている建設会社や住宅メーカーすべてがC値を考慮していないというわけではなくあくまでも政府が掲げている基準の中ではC値が定められていないといことです。またZEHと謳っていても政府の基準よりも性能の良い住宅を作っている会社もあるのできちんと会社として出している数値を確認することが大切です。

とっとり健康省エネ住宅では

そして、とっとり健康省エネ住宅となります。グレードが3段階ありT-G1が守ってほしい最低限のレベル、T-G2は推奨レベル、T-G3は満足できるレベルとなっています。とっとり健康省エネ住宅の性能としては冬の時期に夜寝る前に暖房を切った状態で朝起きるまで無暖房状態でも室温が15℃を下回らないようにすることが一つの目安となっています。現在のご自宅の冬の朝を想像してみてください。

世界と比較すると、、、

表の下に世界との比較がありますが、欧米ではT-G1からT-G2レベルが義務化されています。日本では省エネ基準とZEHの間でメーカーの製品の性能と建設会社の技術力に頼る形でおおよその数値が出て住宅の性能が保たれている状況となっています。メーカーの製品も性能の良いものがあるのでそれを使用した住宅でこのあたりの数値が出ているという感じで、一定基準の住宅の性能を目指して出た数値ではなく施工した結果このくらいの性能の住宅になったという感じです。

用語と数値の説明

次に表に書いてある言葉の説明をします。

UA値:外皮平均熱貫流率【W/㎡K】どれくらいの熱量が家の外に逃げやすいか。窓や外壁から熱が移動・通過する量。数値が小さいほど性能が高い。

式は 失っている熱量÷外皮表面積(外壁・屋根の合計面積)

 

※換気・漏気によって失われる熱量を含まない。

W(ワット)って皆さん良く知っている言葉ですよね。理科の授業でも家の電気でも使うエネルギーの基本的な単位です。電気ストーブ1台がおおよそ1000Wあるので電気ストーブをイメージしてもらえば大丈夫です。Wはなじみがあるし㎡は面積だけどK(ケルビン)?と思う方もいると思います。Kは部屋内と外との温度差という意味です。なので、冬をイメージすれば分かりやすいですが、室内の気温20℃、外気温度0℃で温度差=Kが20となります。温度差1℃で窓面積1㎡あたりどれくらいのエネルギーが外に逃げているかということになります。

最近ではこのUA値を建設会社はよく使いますが、気をつけなければいけないのは換気や漏気による熱損失を含まないのでUA値が良くても換気による損失が多きい場合があります。その場合「Q値」というものを使いますが、説明が長くなるので次回にします。

C値:相当隙間面積【㎠/㎡】家全体で1㎡当たり何㎠の隙間があるか、家全体の隙間を表す数値で気密性に関わってきます。こちらも数値が小さい方が隙間面積は少なく良いです。


このC値は1.0を切ることが望ましいです。C値が1.0あれば換気設備を使用しなくても家全体から約50%の空気が自然と外に逃げている状態になり計画的な換気が出来なくなります。計画的な換気が出来ないと冷房・暖房問わず知らないうちにエネルギーをロスしているのでC値は最低でも1.0を切るようにしておきたいです。先ほどのZEHでC値が設定されていないことに対して話にならないと書いたのは、計画的な換気が出来ないと家の空気が外に垂れ流しのような状態になっているのでどんなに性能の良い窓や断熱材を使用していても住宅としてその性能を発揮できなくなることになります。

またこのC値は専用の機械を使用して計測しないといけないので気密計測分の費用がかかることも頭に入れておいてください。一度建設会社にお宅のC値はいくらですが?と聞いてみるといいです。

基本的には今説明したUA値とC値を使って家の性能を出すことが一般的となりましたが、それ以外にも先ほどUA値で少し触ったQ値など大切な用語と数値があるので次回はそれを説明します。

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