2021.01.28
NE-STの話
相談会の話

良い住宅とは何か#1 UA値だけがすべてじゃない?

Iwa

こんにちは。高野工務店のiwaです。

弊社は鳥取県三朝町に本社があり県中部地域を中心に仕事をしています工務店会社です。

良い住宅とは何かシリーズを今回から始めて行こうと思います。

第1回は性能数値だけがすべてじゃない?ということで始めて行きます。

結論を先に書くと最近ではUA値いくらですよと会社のHPやSNSで書いてたり、完成見学会のチラシでUA値いくらと書いているものをよく見かけますがUA値だけで建物の性能を判断するのはちょっと待ってということを書いています。確かにUA値は快適な生活を過ごすためには必要条件ですが十分条件ではないのでその理由について書いています。

題目は以下になります。

1最近よくみるUA値とC値とは

2とっとり健康省エネ住宅(NE-ST)な住宅とはなにか

3性能数値に惑わされないで

まとめ

1最近よくみるUA値とC値とは

鳥取県にお住まいの方で、たまに日本海新聞の広告に挟まれている住宅の完成見学会の広告を見たことがあるでしょうか。その広告の中に「とっとり健康省エネ住宅T-G1(または2)」や「UA値0.~」「C値0.~」という数値が書いてあります。その数字が何か知らない人は分からないのですが、知っている人が見たらその家の性能グレードが何となく分かります。数値が小さい方が高性能住宅ということになるのですが、車に置き換えると燃費のような位置づけになります。

UA値(外皮平均熱貫流率):家の外皮、つまり外壁や屋根など外に面している部分からどれくらい熱が逃げているのか。

→数値が小さいほど家の中で使った暖房器具の熱が外に逃げにくくなる。

C値(隙間相当面積):家じゅうでどれくらいの隙間があるのか。

→数値が小さいと家の隙間が小さくなり計画的な冷暖房や換気が行える。UA値が良くてもC値が悪いとエネルギーのロスになる。

つまり少ないエネルギーコストで家の中が快適になるよ、ということを言っているような感じです。例えば現在2021年1月は季節としては冬になるので外気温が10度以下になる日が当たり前です。ですが家の中は快適に暖かく過ごしたいからエアコンを使用します。その使用するエアコンの消費電力が抑えられるということになります。

2とっとり健康省エネ住宅(NE-ST)な住宅とはなにか

現在全国的にこのUA値とC値の良い住宅を建てようとする会社が増えて来ています。理由としては少ないエネルギーでより快適で健康的な生活が送れるからです。家の中にいて暑い寒いを感じない心地よい住宅で生活することを目指しています。その背景には欧米諸国や韓国、中国などの隣国に比べて圧倒的に住宅の性能が悪く多くのエネルギーを損失しているからです。自国でのエネルギー生産が乏しい日本において海外からの輸入に頼っているばかりでは将来のエネルギー問題につながりかねないということが挙げられます。

そこで高性能住宅を建てる際にその性能を分ける基準となっているのがHEAT20という指針です。ネットで検索するとサイトが出てくるので気になる方は一度検索してみてください。このHEAT20のグレードでG1~G3まで分けられているので各社でどこのグレードでどれくらいのUA値とC値なのかをチラシに掲載している状況となっています。

そして全国で唯一鳥取県がこのHEAT20基準の性能の住宅に補助金を設けています。その名前がとっとり健康省エネ住宅、通称「NEST(ネスト)」でG1~G3まで補助金が設けられています。

3性能数値に惑わされないで

UA値とC値を表示してこの家はこれくらいの高性能な住宅ですと言う会社が今後も増えてくると思います。弊社も新築住宅の完成見学会の際にはその言葉を使うと思います。それが一般的になってくると思うので。

ただこのUA値とC値だけで住宅の性能や良さを評価してほしくないと思います。あくまでも快適で省エネに暮らせる目安なので、それ以外にも生活に及ぼす影響は沢山あるので注意してほしいです。以下にはUA値が良くても注意していただきたいポイントを何点か上げました。

1住宅の窓:例えば住宅の中では1番熱損失が大きいのは窓になります。なので窓を小さくすればUA値も良くなりますが窓の少ない暗い家で生活したいですか?ということになります。太陽光を家の中にうまく取り込めないと昼間でも家の中は電気を付けないと薄暗いということが発生します。

2家の方角:家の方角も大切です。夏の西日が厳しいことはこれまでの人生経験で感じていると思います。住宅でも西側にリビングの大きな窓を設けたり吹き抜けで開放的な空間に窓を設けると夏の夕方から家の中の温度が高くなってしまいます。いくら高性能な住宅でT-G3の家を建てたとしても窓から直接光が差し込めば家の中は暑くなってしまうのでなるべく東西の窓は小さく少なくする方が良いです。その理由として光には3種類の波長があり、一つが可視光。一般的な明るさや太陽光はこの可視光になります。二つ目が紫外線。夏によく起こる日焼けはこの紫外線が原因です。そして三つ目が赤外線。電子レンジ物を温めるために使われています。この赤外線の波が家の中に届いて部屋の温度を高めるといった理屈になります。

あと家で一番重要なのは構造なので、T-G3の家だとしても耐震等級1だともしもの災害時に家が壊れて住めなくなる可能性もあるので家の性能の数値ばかりに拘ってしまうのも注意しなければいけません。

4まとめ

家づくりはUA値やC値の数字だけで簡単には決められないのでよく勉強してよく見ることが大切です。私も自分が書いているブログの内容がすべて正しいとは思っていません。あくまでも家を建てるのはお施主様になるので何を信じるのかはお施主様次第です。家づくりは簡単じゃないのでよく考え頂きたいです。そのきっかけになればいいかなと思います。


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